キー紛失 & キーシリンダー交換
はい!落としてしまったのですが!
GSR君のメインキーを落とした.しかもツーリング出発直前に.
Q.どうして125ccでツーリングしてるんですか?
— ぼーいんぐ (@mimin0122) 2020年10月10日
A.250ccのキーを失くしたから
アアアアアア!気が狂う!https://t.co/0D7M4j7vjX
おかげで東京から金沢まで500kmを半分雨降る中125のCBFで走るハメになった.
寒さや悪天候に備えてGSRにはフォグもグリップヒーターもつけたのにな!
帰ってきてからそこら中ひっくり返して大捜索を行ったのだが,全く出てくる気配がない.玄関を出てからバイクの元に行くまでのわずか15mの間に落としているので,絶対にこの区間に落ちているはずなんだけど......
見えるところに落ちてないならどこか隙間とか穴に入ったとか......
ん?
あっこれかぁ!
物が落ちそうな隙間はここしかないし,きっとこの排水穴に落ちたに違いない!
ちょっと入ったところで配管が水平になってるし,きっとここに引っかかってるだろう.
ということでアマゾンで適当な内視鏡を買ってきて中を見てみた
............あれー鍵がどこにも見当たらないねおかしいね?どこ行った?
そういえば出発した日は台風が近づいてて天気は雨............雨?
救出不可能な場所まで流されたのではないだろうか(名推理)
このバイクは中古で買ったのだが,スペアキーがついてこなかったのでキーは一本しかなかった.つまり,手元からキーが一本もなくなってしまった.前オーナー君,どうしてたった1000km の間にスペアキーなくしたんですか?(八つ当たり)
こうなるともはや自力での解錠は不可能で,スペアキーを新たに作るしかない.キーシリンダーにも番号が振ってあって,この番号が分かればメーカーからスペアキーを送ってもらえるはずだ.
というわけでディーラーに電話したのだが,シリンダー番号からスペアキーの取り寄せはできないと断られた.二本のキーのうちどちらか一本でも残っていればこの方法で取り寄せできるらしいが,全部なくした後だと取り寄せは断られるらしい.そのキーがなくなったからスペアキーが欲しいんですけど(困惑).
まあ防犯的な観点からそうホイホイとキーを送るわけにもいかないのだろう.正規のキーを持っているということがオーナーとしての証明になるわけだ.
僕:じゃあ鍵を全部なくしたらどうしたらいいんですか?
ディーラー:こちらから提案できるのはシリンダーごと交換する方法のみですね~
僕:ハンドルロックしてるからシリンダー交換どころか移動もままならない状況なんだけど
ディ:えっそれは......(沈黙) そのままレッカーで持ち込んでいただくか,合鍵屋さんに開けてもらうしか......
レッカーなんて頼んだら財布が爆発四散してしまうので,今回は合鍵屋さんを呼んでスペアキーを作ってもらうことにした.
しかし鍵の救急車をはじめとした開錠サービスはめちゃくちゃ高い.レッカーした方が安いんじゃね?と思っていた矢先,そういえばこんなものに加入していたことを思い出した.
調べてみると,開かなくなった鍵の開錠もタダでやってくれるっぽい.
勝ったな(確信)
やはり学生しか勝たん
ということで電話したらほんの30分くらいで来てくれて作業してくれた.作業員の人はちょっと驚いてたけど.というのもどうやらこのサービス,原付・スクーターのキー閉じ込みで通学できなくて困った!という人がターゲットらしい.まさか趣味のバイクのキーを落としただけのマヌケの元に派遣されるとは思わなかったのだろう.
さて,鍵を開けてもらってスペアのキーも作ってもらったのだが,いまいち動きが悪くて,どうも開け閉めがスムーズにできない(わがまま).作業員の人いわく,鍵がやや特殊でこれで精いっぱいだったとのこと.実際,昼の3時にやってきたのに日付が変わるくらいまで作業してた.ありがとうございますやでほんま......
でもなー......作業してくれたお兄さんには申し訳ないけど,見た目もいかにもスペアキーだし動きも渋いし微妙だなー......
やはり純正のキーシリンダーに交換しよう.
ヤフオクで中古のシリンダーセットを調達してきた.純正新品だと3万くらいするが,さすがヤフオク,5000円くらいで手に入った.今度はちゃんとスペアキーもついてきたし,やはりヤフオクは最高や.
前回と同じ要領で,車体からトップブリッジを外してキーシリンダーを外せるようにする.
出たわね
この頭が星型みたいになってるボルトはブレイクボルトと言うらしく,一度締めたら最後,ボルトの頭がネジ切れて二度と緩められなくなる.キーシリンダーが簡単に外れたら防犯的によろしくないからね.しょうがないね.
Q.じゃあどうやって外すんですか?
A.ブレイクボルトを,ぶっ壊す!
ボール盤でボルトの頭を飛ばして,物理的に破壊してからシリンダーを取り外す.
ボルトの頭が奥まったところにあるので,こうでもしないと外すことができないのだ.
とれた.
トップブリッジに残ったボルトはペンチでつかんで外しておく.
新しいシリンダーを取り付ける前に,前回と同様,裏蓋を開けて,接点を磨いて接点復活スプレーを吹いておこう.また接触不良を起こされたらめんどいからね.
新しいシリンダーの裏蓋を開けると......
ん?
基板が割れていた.なんで?
何やったらこんなところが割れるんですかね......
鍵を失くしたほうのシリンダーの内部は無事なので,基板だけ交換しておいた.
この前接点磨いたばかりだから手間が省けてよかった.(よくない)
というかひと月も経たないうちにどうして同じ作業やってるんですかね?
蓋を締めたら,いよいよシリンダーをトップブリッジに取り付けよう.
ということで,ボルトを入れるべくシリンダーの座面を覗いてみると......
......?
なぜかボルトの座面が抉られている.
まるでドリルで削ったみたいだぁ...
ドリル......?
あっ(察し)
おそらくこのシリンダーも,接触不良か何かで車体から取り外され,交換した余りがヤフオクに出回っていたのだろう.ドリルでボルトの頭を飛ばす際に,勢い余って座面ごと抉ってしまったという寸法だ.
というか接触不良でエンジンかからなくなるバイクってどうなの?スズキは早くGSR系のキーシリンダー リコールして?
それはそうと,欠陥があるのが分かっているのにあたかも問題ないような顔をしてオークションに流すのはどうなんですかね?あまりに不誠実じゃないか?
基板の割れはわからないにしても,座面がドリルで抉れてるのなんて一目見ればわかるでしょ.(実は届いた時点で気づいてた)
やっぱヤフオクなんてダメだな(辛辣)
まあこんなものはボルトがきちんと座って締まればいいだけの話なので,適当なワッシャーをうまい具合に叩き込んでおいた.そんなにトルクのかかる場所じゃないしこれで十分だろう.
ブレイクボルトなんて高いだろうし手配も面倒なので,組み立てはその辺に転がってたプラスのなべネジにしておいた.わざわざこんなところのネジ外して盗むやついないでしょ(油断).そもそもこのバイク不人気車だし.
まあさすがにプラスネジだけでは不用心なので,強力ねじロックをしっかりと塗っておいた.こんな奥まったところのプラスネジがねじロックで締まってたら,そう簡単には外せまい.
ついでにタンクの蓋とシートのシリンダーも交換しておく.タンクの蓋は納車時から左下に目立つ傷があったので,ついでに交換できて得した気分.
全部戻して動作確認したら作業終了.
細かいアクシデントはあったけど,¥5000- でちゃんと純正のキーで動くようになったし,ついでにスペアキーを作ってタンクの蓋の傷が消せたと思えば悪くないんじゃない?
まあキーを失くす前にスペア作っておけばよかった話なんですけどね.
みんなも鍵の紛失には気を付けよう!
パンク修理&イグニッションスイッチ分解
あ~今日もツーリング楽しかったな~.
早く帰ってチャンクリしなきゃ.
ん?
お前これどうすんだこれ高かったんだよなぁ!?タイヤァ!大事に育ててたんだよなぁ!?これぇ!?お前見ろよこれなぁ!この無残な姿よぉなぁ!?どうつがな、償うんだよなぁ!?
まだまだ溝の残ってるタイヤに釘が刺さってるんですけど(怒).
とりあえず空気は抜けてないけど,触って動かしたら空気の音がしたのでパンクしてるのは間違いない.この溝の残り具合だとあと1万キロはもつはずなんだよなぁ......
慌てて調べると,釘くらいの小さな穴ならパンク修理ができるらしい.パンク修理にもいくつか種類があって,空気に触れると硬化する液剤をバルブから入れるタイプと,外から栓をしてタイヤと同化させるタイプの二つがあるっぽい.
液剤を入れるタイプは,ホイール内部がベッタベタになって後処理が大変なことになるらしいし,あくまで応急処置的なものらしい.対して栓をするタイプは,ガソリンスタンドとかでパンク修理をするのと同様の方法で,ある程度信頼性もあるらしい.とりあえずこっちで修理して,ダメそうならタイヤ交換しよう.
ということでこいつをポチッた.7回分入りで1500円弱.安い.
https://www.amazon.co.jp/gp/product/B000T0E75A/ref=ppx_yo_dt_b_asin_title_o01_s00?ie=UTF8&psc=1
早速修理しよう.まずは刺さった釘を抜く.
え,長くない?
なんだこれは,たまげたなぁ......
想像の3倍くらい長い釘が刺さっていた.そらこんなものが突き刺さったらパンクしますわ.ホイールにも傷が入ってたら嫌だなぁ......
工具を使って穴を拡げたら,茶色いゴム栓に接着剤を塗ってから力の限り穴に押し込む.結構力が必要だったので,非力な人には結構大変な作業かもしれない.(作業中の写真は)ないです.
しかし汚い色だなぁ......もうちょっと何とかならんかったの.
と思っていたら,熱のせいか路面の汚れを拾ってか分からないが,しばらく走るとタイヤと色が同化した.はぇーすっごい......
パンク修理剤、茶色く目立ってみっともないなと思ってたけど、走ったら色変わるのか… pic.twitter.com/dwmK8cO223
— ぼーいんぐ (@mimin0122) 2020年10月3日
ガソリンスタンドで規定空気圧まで入れてから,奥多摩まで試走しに行ったが,走った感じも変じゃないし,空気圧も下がってなかったから問題なさそう.これで完璧だぜ!
1500円でパンクが直った.やっぱりパンク修理キットは神.
じゃあ,お兄ちゃんと一緒に,峠道で遊ぼっか.上りも下りも,ヘアピンもたくさんあるよ.
..................
あれぇおかしいねエンジンかからないね?
実は前々から症状は出ていて,キーを回してもメーターが一瞬点かなかったり,チカチカと点滅したりしていた.キーを何度かガチャガチャやると直るので騙し騙し乗っていたのだが,ついに酷くなってきた.何度か試してエンジンはかかるようになったが,コーナーでいきなりエンジンが止まったりしたらガードレール直葬不可避なので大人しく帰ってきた.(ビビり)
最近グリップヒーターを導入したので,電装作業ミスったかな?とも思っていたけど,大した配線をしたわけでもないのでそういうことでもなさそう.実はこのバイクのイグニッションスイッチは経年劣化で接触不良が起きやすいらしく,実際にキーシリンダー交換で症状が改善したという報告が多くなされている.しかしシリンダーを交換するとなると当然キーも変わるわけで,そうすると燃料タンクやシートの鍵も交換することになり,全部ディーラーにやらせると3万は下らないらしい.しかも交換するのも同じ部品なので,また経年で同じ症状が出るらしい.
対策品出してください!お願いします!何でもしますから!
接触不良なんて大した故障でもないんだから,分解して修理すればよくない?じゃけんキーシリンダーバラしましょうねぇ~.
と思ったらシリンダーはブレイクボルト(締めた後に頭が折れて工具がかからなくなる)で止めてあるので,そうやすやすとは外れてくれない模様.まあ防犯を考えたら仕方ないことではある.じゃあトップブリッジごと外さないとな.
トップブリッジを外すには......ハンドルも外さないといけないのか.面倒くせぇ...
車体を養生してから,必要な部分を外していく.
とれた.
あとはシリンダーの裏蓋を外せば接点くんがコンニチハするのだが,ここも防犯のためにご丁寧にワンウェイボルトで締めてある.こいつは片方にしか山がなくて,ドライバーで締められるが緩めることはできないのだ.
じゃあどう外すかというと,ネジ頭を舐めた時と同じ要領でハンマーとポンチで回していく.先駆者兄貴によると大したトルクで締まっているわけでもないらしいので,これで外れるだろう.
途中まで回したところでポンチ(大嘘)が曲がってしまった.まあこんな細いものをハンマーでガンガン叩いたらそら曲がりますわ.工具は正しく使おう!
残った部分は伝家の宝刀,ネジザウルスバズーカくんを使って外そう.本来プラスネジ用の工具だが,ネジ頭に叩き込んで使うビットもついているため,その気になればワンウェイボルトだって外せるだろう.
ハンマー+ポンチ作戦よりあっさりと外れた.特殊工具って神だわ.
持っててよかったネジザウルス!
蓋を開けると,お目当ての接点にたどり着く.
確かにちょっと汚れているけど,思ったよりきれいだな......
両方とも紙やすりで磨いた後に,接点復活スプレーを吹いておいた.接触不良ならこれで直るはず.
組みなおしているときに気づいたけど,接点部分に通じる穴が開いていた.ここから接点復活スプレーぶち込めば済んだ話だったのでは......?
さて,外した部品をもとに戻して車体に組んでいくわけですが......
どうしてたかがカプラー1個繋ぐためにカウル外さねぇといけねぇんだテメェはよお!? pic.twitter.com/1efzTVESP7
— ぼーいんぐ (@mimin0122) 2020年10月4日
キーシリンダーのカプラーが奥まったところにあって,外せたものの元通り組みなおせない.たかがカプラーひとつのために右のカウルを外す羽目になった.整備性が悪すぎる.フルカウルはクソ(フルカウル乗りの屑).
ついでに冷却水も少し減っていたので補充しておいた.
全部戻した後にキーを捻ってみると,気持ちよく一発でメーターもライトも点くし,エンジンも問題なく掛かった.時間をおいて何度か試してみたが,症状が再発することもなく完治したようだ.やっぱり接触不良が原因じゃないか!
メインスイッチの接触不良でエンジン掛からなくなるバイクってどうなんですかね......?
スズキは今からでも遅くないからリコールして?
夏の足回りメンテ
こいついつもメンテやってんな(呆)
CBFくんもGSRくんも走行距離が2万キロを超えたので、手つかずだったフロントフォークのメンテをしよう.
両車ともダストシールにひび割れはないのでオイル交換だけでいいかと思ってたけど,CBFは若干オイルが漏れてきた気がするのでオーバーホールしよう.
ついでなので,もう残り少ないブレーキパッドと,放置してきたブレーキフルードも交換しよう.
まずはGSRのフォークオイル交換から.フォークを車体から外す.
リフトアップしてタイヤとフェンダーを外していく.
センタースタンドで立てた後,エンジンの下くらいにジャッキを入れて上げるのが定石なんだけど,フロアジャッキはおろかパンタジャッキすら持ってないクソ雑魚サンデーメカニックなので,その辺に転がってたブロックの欠片と木片でうまいこと持ち上げる.
駐車場と家の前の道に段差があるので,段差の下にバイクのケツを落としてやると結構フロントが上がっていい感じ
サクッとタイヤを外したら,フェンダーも外す.GSRのフェンダーはタイヤを外さないと外れない仕様になっていて,しかもフェンダーが無駄に深いのでフロントをかなり上げないとタイヤが取れない.欠陥設計でしょ.
ここでフェンダーを外そうとしたところ,ボルトが強力に固着していて,すべてのボルトの六角穴が潰れた.
舐めてんのか(ネジだけに)
事前に5-56を吹かなかったことを後悔しつつ,こうなってはどうしようもないので奥の手を買ってきた.
ネ ジ ザ ウ ル ス
これで回るでしょ(慢心)
うんとこしょ,どっこいしょ.
それでもネジは取れません.
フェンダー上の隙間が小さすぎて,ネジザウルスを縦に入れるとハンドルに力が入らず,ネジを回すことができない.かといって横から掴むのはより大きなネジ用っぽくて,満身の力を入れても滑る.
しょうがねえなぁ.
じゃあこれ!
バ イ ス ザ ウ ル ス
こいつはネジザウルスとバイスプライヤーのあいの子みたいな工具で,バイスプライヤーの機能(握り込むとロックして強い力で掴んだまま保持できる)を持ちつつ,先端がネジをつかみやすく加工してある.
や っ た ぜ .
ん?ちょっと待って?
こんなショボいネジ外すのに ¥5000- (工具代) とかぼったくりやろ!
ハァ~~~...アホくさ....こんなネジ外すのに工具買ったんか!
まあ手元に新しい工具が増えたので良しとしよう.ネジザウルス欲しかったし(強がり)
次はフォークを車体から外す.
ほんとはこの辺のボルトもトルクが決まっているのでトルク管理しないといけないんだけど,トルクレンチを使うためにカウル全バラは(やりたく)ないです.
今回は元の位置をマーキングしておいて再組立て時にここに合わせてボルトを締める.割とバイク屋とかでも普通にやる手法だし大丈夫でしょ.
フォークが外れた.
トップボルトを外して,古いオイルを排出する.
少し黒くなってきていたけど,まだまだ元の赤色が残っていたので交換しなくてももう少しは持ちそう.
新しいオイルを規定量測って入れていく.
サービスマニュアルによるとオイル量は 338 ml,油面高さは 136 mm らしい.
ところがこの指定通りに入れたら油面高さが 40 mm も高くなった.
実は手元にあるサービスマニュアルはGSR250(無印)用のものなので,うちのGSR250Fとは若干仕様が違うらしい.無印はセパハンなので,どうやらハンドルの取り付け部の分インナーチューブが長い模様.これじゃ油面合わないのも当たり前だよなぁ?
インターネットを駆使しても F 用のオイル量と油面高さの情報が出てこなかったので,とりあえず無印の規定量と高くなった分の中間,116 mmくらいにしておいた.20 mmくらい変わってもわからないでしょ.
インナーチューブの錆を軽く取ったらもう一度車体に組み付けて終了.
CBFも同じようにしてフォークを外していく.
きたねぇオイルだなぁ.
GSRよりも走行距離は短いのに,オイルは真っ黒になっていた.やっぱりオイルは経年劣化するんやなって.
CBFのフォークはオーバーホールするので,オイルを抜いたらバラす.
フォークを分解するにはインナーチューブとアウターチューブを繋いでいるボトムボルトを外す必要があるのだが,これが奥まった位置にあって普通の工具だと外れない.おまけにメネジ側もチューブの中で空転できる構造なので,最悪の場合SST(特殊工具)を買わないと外せない.このSSTがほとんど車種専用みたいで大した工具でもないくせにやたら高いのだ.
アウターチューブをクランプして,ロングのヘキサゴンソケットで回す.今回は幸いにもSSTなしで外せた.
分解が終わったら,目立つ錆を落としておく.特にトップボルトは目立つ場所の割には手が入りづらく,錆びたままでみすぼらしかったのできれいにしておく.
次はオイルシールとダストシールを交換する.
古いシールを外した後に,新品を圧入する.
圧入工具は持っていないので,同じくらいの径のテープを使ってハンマーで叩く.
少しくらい,斜めに入っても......バレへんか!
普通のフォークはインナーチューブの下の方にスライドメタルという部品があって,インナーチューブを入れた状態でないとオイルシールは入らないのだが,こいつのフォークはこれが省略されているらしく,アウターチューブだけでもオイルシールの圧入ができた.この方法が正しいのかは知らないけど.
オイルシールが入ったらクリップを入れる.これも強烈に錆びていたので磨いておいた.
インナーチューブを組んでダストシールも入れる.
ところで,インナーチューブに結構深め(爪が引っかかるくらい)の縦傷が2本も入ってるんですがそれは大丈夫なんですかね?(大丈夫ではない)
オイル漏れの原因これじゃね?
全然心当たりがないのに不思議だなぁ🤔
本来はインナーチューブを交換したほうがいいんだけど,新品を買うと 14千‼ 円もするので,今回は見なかったことにしよう.オイルシール交換したからきっと大丈夫でしょ(慢心)
最後にオイルを規定量入れてから,車体に組み付けていく.オイル量と高さはそれぞれ145±2.5 ml,187mm らしい.
ところで,フォークの上端に意味ありげな線が入っているんだけど,もしかしてフォークって取付時にここまで突き出すんじゃないんですかね?納車時は上端とツライチになるように組んであるけど......
今回は線に合わせて突き出して取り付けておいた.
ボルトを元通り締めてフォークのオイル交換は終わり!
さて,初めてフォークのオーバーホールをやってみた感想ですが......
金を払ってプロにお任せする気持ちが分かった.
やることはそれほど多くないけど,一つ一つの作業がめんどくさすぎる.
でもきっとまたやる.人に頼むと工賃高いからね......
次はブレーキパッドとフルードの交換.
パッドの交換はすぐ終わる.
ピストンに点錆が出ていたので,ピカールできれいに磨いておいた.
最後にブレーキフルードの交換.
GSRはともかくCBFは年季が入っているだけあってさすがきたない.
ブレーキフルードは塗装を侵すので,零したりして塗装面につかないように注意して作業しよう.もしついてしまったら早急に洗い流さないと,塗装が死んだりクリアの樹脂はバッキバキに割れたりして悲惨な目にあうゾ.
うわー!
どうか逝かないで......(塗装)
あー!零しちゃった......
ウワァァァァァァ......
マアァァァァァァ......
うぁー!零したァー!
ブレーキのオイル零しちゃった!!!
どうして言ったそばから零すんですか?
気づいた部分はすぐに拭き取ったが,CBFの右ウインカーと,外して近くにおいてあったGSRのフェンダースタビライザーが犠牲になった.翌日まで気づかずに放置したからね,仕方ないね.どうしててめぇはそうオイルに対して注意力がねぇんだ.
フェンダースタビライザーは黒に塗装しておいた.どうせ目立ってきた錆の処理をしたかったところなので丁度よかった(よくない)
ウインカーもそのうち新品に交換したい.これじゃあバイク直してるのか壊してるのかわかんねぇな......
フォグランプをつける
うちのGSRはヘッドライトを純正のハロゲンバルブからLEDに変えてある
白くて明るくてカッコいい,しかし悪天候の前には無力.霧の日は周りが全然見えないし,雨の夜でも路上のペイントが見えなくてやばい.
じゃあこれ!
悪天候に備えてアドベンチャーやツアラーに装備されることの多いフォグランプをつけよう
作業開始
フォグを後付けする方法は大きく分けて二つ.
1.バイク用フォグとして売られている社外品を取り付ける.(お高い)
2.AMAZON等で安売りされている作業灯を改造して取り付ける.(安い)
1 は専用品として売られているだけあって配光バッチリでしかもカッコいいものが多いが,高い(数万円~)ので却下
2 の方法でフォグを後付けするときに恐らく誰もが一度は考えるのがこの商品.
https://www.kitaco.co.jp/goods_detail.html#sid=P800-0710000
キタコ シャトルビーム
フォグランプとして明示されているわけではないが,どこからどう見てもフォグに使ってくださいと言わんばかりのパッケージでバイク用品店にも普通に置いてある.
ところがこのライト,AMAZON謎中華で同じような(というか同じ.OEMなのかはたまたパクリなのか......)ライトがわんさか売られている.レビューを読むとキタコも謎中華も(悪い意味で)同じくらいの品質らしいし,ここは謎中華でいいでしょ.壊れたらまた買いなおすし.
それから,フォグランプを保安基準に適合させるためには,キーOFFでは消灯,キーON時にON/OFFが切り替えられないといけない.要は,楽だからと言って適当にバッ直&スイッチで配線すると,車検に通らなくなってしまう.白バイに止められて気づかれた日には整備不良で反則金¥6000- と違反点数 1 点がプレゼントされるゾ.(250ccには車検ないからそうそうバレないけど)
ライトみたいな大電流を使うような装備をキーON/OFFと連動して電源を取るには,途中にリレーをかませたり純正の配線を分岐させたりとちょっとだけ複雑な配線作業が必要になる(もっとも,今回はLEDライトなのでハロゲンやHIDほど大電流は流れないが).自作してもよかったが,ある程度セットになって配線済みのハーネスが入手できるので,自作の手間や費用を考えたらこれを使ったほうがいいだろう.
届いた.
リレーハーネスは思ったよりもしっかりした梱包で届いたので驚いた.(でも中に怪しい日本語で書かれた紙が入ってた)
ライト本体はよくある謎中華って感じの梱包.でも箱潰れもないし緩衝材もちゃんと入ってるし通販ならこれで十分.
届いたままの状態だと線が剥き出しなので,ハーネスと接続できるように端子をつける
なんだこのダサいロゴは(暴言).こんなものないほうがいいと思うんですけど(名推理).ただのステッカーだったのですぐ剥がした.
次にリレーハーネス
ランプへの配線が二つ用意されているのはいいが,左右で長さが違う.
車体に合わせてみると片方は長すぎて配線が余り,もう片方は短すぎでランプまで線が届かない.線をぶった切ってつなげて,長さをそろえよう.
つなぎなおした部分はビニールテープを巻いて絶縁し,切り落とした端子はつけ直しておいた.
このリレーハーネスは配線一式に,リレー,ヒューズ,さらにはスイッチまでついてきて大変コスパがよろしい.ただしスイッチはハザード用のものが入っていた.まあこんなの塗装を落とせばいいだけだし別にええわ.
ところでこのリレーハーネス,説明書通りに配線するとこうなる
このままだとキーOFFの状態でもフォグランプのON/OFFができてしまう.確かにリレーを入れているけど,見かけの挙動はバッ直&スイッチと何ら変わらないんだよなぁ?こんなんじゃ車検対応車になんないよ.どうしてくれんのこれ?
キーOFFでフォグがつかないようにするには,リレーの電源をバッテリーではなくACC電源(キーON時のみ 12 V が供給される)から取らないといけない.
ACCはキーONで作動する電装品ならどこからとってもいいが,今回は定番のホーンから分岐させる.
二股の配線を作ってホーンのACC側の端子に割り込ませて,この線とハーネスの残したほうの線をスイッチを介してつなぐ.
関係ないけどラジエーターの正面にホーンがあるのも何とかしたい.GSRはこの辺のレイアウトがかなりギチギチで,下手に移設しようものなら必ずどこかに干渉する.スズキも仕方なくこんなところに置くしかなかったんだろうが,それにしてももう少しましなレイアウトにしてほしかった.
配線が終わったので,次はライトの取り付け.
ところで,フォグの色といえばやはり黄色!悪天候には白より黄色のほうが強いって,それ一番言われてるから.最近は車でも白いフォグが多いけど,機能性を取るなら黄色だろう.だいたい悪天候で前が見えないとか言ってフォグをつけようとしてるのに,ヘッドライトと同じ白色LEDをつけたら意味ないんだよなぁ?
ほんとは雪のときにバルブの熱でレンズが凍り付かないから,黄色のハロゲンがフォグとしては一番らしいけど,雪が降ったらバイクなんてそうそう乗らないしLEDでもええやろ!
調達したライトは色が白しか選べなかったので,ヘッドライト用のイエローフィルムも買っておいた.こいつを貼り付けてライトを黄色にしよう.
1枚貼っただけだと結構白いままだったので,3枚重ね貼りして色味を黄色に寄せた.
近くで見ると結構気泡が残ってるけど,そのうち抜けるだろうしそれほど目立つ部分でもないからヨシ!
GSRはフロントフォークのアウターチューブに反射板(海外では保安基準的に必要)のためのステーが生えていて,国内仕様では使い道がないのでこれを利用して取り付ける.
悪くないじゃん.あとは角度の調整をしないと.
日が暮れてから点灯試験をしたが,元が作業灯なので光が全方向に拡散する.ライトをかなり下向きに取り付けないとグレア(上方散乱光)がひどすぎて走る光害まっしぐら.
ところが,下向きに取り付けると今度は車体のごく近くしか照らせず,跨った状態からだと全く照射範囲が見えなくて,フォグとしての機能が薄い.これもうわかんねぇな?
灯体をもっと水平に近づけた際のグレアを抑えるためには,レンズの一部を遮光するか,シェードをつける必要がありそう.レンズの上半分に黒いビニールテープを貼ってみたが,引くほどダサかったのでシェードを作ることにしよう.
0.5 mm厚のアルミ板を切り出して,筒状のものに押し当ててライト本体と同じくらいの径まで丸める
完成.紙やすりでバリが取れる.やっぱり,薄いアルミ板は最高や!
次はライト本体の色に合わせて塗装.
塗料の足つきをよくするために全面をやすって傷をつける
メタルプライマーを吹いてからラッカースプレーで塗装して完成
ええやん
あとはこれを,金属接着用の強力両面テープでランプ本体に接着.
接着部分がふにゃふにゃして剛性感に欠けるが,とりあえず接着できた.走行風で取れそうだったら,穴をあけてボルト止めしよう.
最後にインジケータランプを作る.
保安基準だと「前部霧灯の点灯操作状態を運転者席の運転者に表示する装置を備えること」が必要らしい.要するに,フォグのON/OFFが運転中にわからないといけない.これの対策のためにインジケーターを付ける.
配線は,スイッチとリレーの間に+を割り込ませて,-をアースする.
キジマのインジケータランプを買ってきた.ステーを作って三又に固定しよう.
ステーを作ってランプを固定したらシェードと同じように塗装.
アースはブレーキホースクランプのボルトからとった(ボディアース).
点灯テストをすると,昼間はいいが夜は眩しすぎてとても直視できない.はーつっかえ!
仕方ないので明るさを調整しよう.
LEDは電球と違って入力電圧を落とせば簡単に減光できるわけではないので,回路的に減光しようとすると結構めんどくさい.面倒なのは嫌なので今回は物理的に解決しよう.LEDの周りを透明樹脂で埋めて,表面を粗く仕上げれば摺りガラスの要領で光が拡散していい感じに減光できるはず.
使うのはクリアのプラリペア.
カウルの割れ・欠けや折れたツメを強力に補修できる優れもの.
こいつを上から盛って,固まったらやすって平らにする.
あえて粗目の番手で仕上げることで,光を拡散させて減光を狙う.
再び点灯させると,目に刺さるような光り方ではなくなった.狙い通り.昼間の視認性が下がったが見えないことはないのでいいだろう.
ハンドルバーのクランプ付近に固定.大きいほうはETCのインジケーター.
夜光らせるとこんな感じ
スイッチは左のスイッチボックス横にとりあえず設置.遠くて操作が難しいのでそのうち変えるかも.
試走
昼間は点けても点けなくてもまっっったく違いが感じられないが,日が暮れて徐々に暗くなってくると真価を発揮し始める.
もともとヘッドライトの明るさには不満はなかったが,あまり照らしてくれない手前もくっきり見えるようになりさらに明るくなった.色もしっかり黄色でいい感じ.
離れて見てもフォグは眩しくないし,走行中に対向車からパッシングされることもなかった.グレア対策も問題なさそう.
あとは雨や霧の中どのくらい見やすくなるのかが楽しみ.できればそんな天気には遭遇したくないけど.
かかった費用は全部合わせて ¥10000- 弱.かなり安く取り付けられたので,個人的には満足.
梅雨のメンテ祭り
コロナのせいで毎日家に引きこもりだし週末は雨が降って遠出できないしもう気が狂う!
思うように乗れない今のうちに気になるところをメンテしておこう.それぞれのバイクで気になっている所はこんな感じ.
・オイル交換
・オイルフィルター交換
・エアクリーナーの交換
・クラッチの遊び調整
・スロットルの遊び調整
CBF
・前回↓抉ってしまったスイングアーム
・オイル交換
・オイルフィルターの清掃
・クラッチカバーからのオイル漏れ
・ブレーキフルードの交換
・フォークオイルの交換
・エアクリーナーの交換
・テールランプ切れ
作業開始
まずはGSRから
とりあえずオイルとフィルターの交換
GSRはニーハンだがフィルターはカートリッジ式.交換が楽で助かる.
カップレンチはモノタロウブランドの安いやつを使っているが,ドライブ角のかかりが浅くて微妙.やっぱり値段なりだな......
フィルターを外すとエキパイにオイルがかかる.掃除ついでに磨いておいた.
オイル交換が済んだら次はエアクリーナーを交換する.
走行2万キロ超えたしそろそろ交換しなきゃ(建前)
社外品に交換してパワーアップさせたかった(本音)
表から見ると大して違いが判らないが,裏返すと......
なぁにこれ.
純正のフィルターは裏にパンチングメッシュが貼ってあって,いかにも吸気効率が悪そう.こいつを外してやって,吸気効率を上げてやろうという魂胆だ.
GSRのエアクリーナーはタンクの下にあるので,タンクを外さないと交換できない.ちなみにタンクを外すには,カウルも剥がさないといけない.は?
たかだかエアクリの交換のためにどうしてカウル全バラしないといけないんですか(怒)
ムカついたので,カウルをバラすついでにプラグも変えることにした.
カウルを全バラして,エアクリとプラグを交換.
ここで気になるものを見つけてしまった.
フォークの三又の塗装が浮いていたので指でつついたら塗装が落ちてしまった.下地は赤茶色に錆びている.GSRはカバーまでかけているのにどうして......
このままだと気持ちが悪いので,軽くやすって錆止めのタッチアップをしておいた
ちょっと目立つけど錆が広がるよりはいいでしょ.カウルに隠れて見えない部分だし.
アクセルワイヤーとクラッチワイヤーも調整したらカウルを戻して終了.
試走
エアクリの交換で高回転でのエンジンの吹けがよくなった気がする(プラシーボ).低速では全然違いを感じないが,高回転では今までより巡行が楽になった.
作業再開
次はCBF.まずはスイングアームの補修から.
抉れた部分をマスキングしてからタッチペン
なんか目立つなぁ......
ついでにダメにしたワッシャーも注文,交換した.
次はクラッチカバーを開けて,オイルフィルターの掃除とガスケットの交換をしよう.
オイルが漏れてるのはガスケットを交換すれば直るはず......
オイルは入ったままだと大惨事になるから先に抜いておく.
ところで,下の方のボルトはソケットだけで回るくらい緩んでいた.こんなんじゃオイル漏れるに決まってるんだよなぁ......というかこんなところ普通緩まないと思うんですけど.品質管理しっかりして?
CBF系のエンジンは,下の印のところに網が入っていて,これがオイルフィルターになっている.交換式のフィルターと違って,掃除すれば再利用できるっぽい.
引き抜いて掃除しておいた.
フィルターの角が一個所欠けているのはエンジンに組むときに向きをわかりやすくするためだと思っていたら,どうやら適当に突っ込んで折れているだけみたいだ.品質管理しっかりして?(2回目)
ガスケットはきれいに剥がれた......と思いきや,やっぱり少し残ってしまった.へばりついたガスケット剥がすのめんどくさいんだよなぁ......
ところで,よく見ると下の方の合わせ面にスラッジが溜まっているのが見える.密着してるはずの部分にどうしてスラッジが溜まるんですか?やっぱりボルト緩んでたんじゃないか!(憤怒)
品質管理しっかりして?(3回目)
合わせ面を傷付けないようにカッターで丁寧にガスケットを剥がしたら,新しいガスケットを入れて組み上げる.ほんとはオイルストーンとかで面を出さないといけないけど,めんどくさいからいいか......(妥協)
ノックピンが二か所あるのでガスケットの位置決めは楽.ところがこのノックピンも片方錆びついて固着しかけていた.ノックピンが錆びるって初めて聞いたんですけど......
そのうち新品に交換しとこ.品質管理しっかりしろ?(n回目)
クラッチカバーを戻したら,ボルトを締めていく.このネジは舐めたり折ったりするとリカバリーが大変面倒になるので慎重に締めよう.
次はエアクリーナーの交換.
GSRと違ってシート下にあるので交換は非常に簡単.
きったねぇ(素)
最後にテールランプのカバーを外して,バルブを交換して終わり!
バルブは普通の車のテールと同じようで,ホームセンターで簡単に入手できた.
クラッチカバーのガスケットを交換したことで,オイル漏れはなくなったようだ.よかったよかった.
金がないので,フォークオイルとブレーキフルードはまた今度......
ところで,CBFは兄弟車のCB125Fが国内で教習車に採用されている関係で,国内で純正部品が出るようだ.型番さえわかれば後はWebikeに注文すれば3日くらいで届く.Webike君だいすき.
パーツリストはネットで探すと海外のサイトで公開されてたりする.125Rのパーツリストは残念ながら見つけられなかったが,CB125Fのパーツリストは見つかった.共通部品が多いのでこれでもCBFシリーズの純正部品の調達には大いに役立つはず.
https://www.bike-parts-honda.com/honda-motorcycle/125-MOTO/CB/2017/GLR1251WHH/25682
エンジン関係は「Engine」,それ以外は「Frame」をクリックするとパーツリストが出てくる.
ちなみにGSRのパーツリストはこれ
https://www.bike-parts-suz.com/suzuki-motorcycle/250-MOTO/INAZUMA/2017/GW250F-L7-P28P33-/7145
輸入車とかグローバルモデルはこんな感じでネットで拾えることがあるので,パーツリストを持ってないけど純正部品が欲しい人は「(車種名) parts list」で検索してみよう.画像検索だと拾いやすい.
CBF125R アクスルナット締め直し & トルクレンチ新調
前回の整備↓でリアのアクスルナットのトルクは 54 N・mと書いたが,マニュアルを眺めていると気になるページを発見した.
何やらこんなことが書いてある↓
扭矩规格
发动机机油泄油螺塞 30 N・m
后轮轴螺母 88 N・m
前轮轴螺母 59 N・m
后制动止推摆臂螺母 22 N・m
もしやと思ってGoogle先生に聞いてみると......
やっぱりな(レ)
つまり上の中国語は翻訳するとこんな感じらしい.
トルク仕様
エンジンオイルドレンボルト 30 N・m
リアアクスルナット 88 N・m
フロントアクスルナット 59 N・m
リアブレーキスラストスイングアームナット 22 N・m
一番下の「リアブレーキスラストスイングアームナット」だけよくわからないが,トルクロッドのナットのことだろうか.トルクもそんな感じだし.教えて偉い人.
ということで,前回の締め付けでは全然トルクが足りていないことが発覚してしまった.増し締めしないと......
スイングアーム抉れた😇 pic.twitter.com/npykFQm0zY
— ぼーいんぐ (@mimin0122) June 6, 2020
スイングアームが抉れた
不思議ですねぇ......
どうしてこうなったのかというと......
トルクレンチを 88 N・m にセット
↓
ナットを締めるがいつまでたっても指定トルクにならない
↓
さらに全力で絞めるとナットとスイングアームの間の板が変形しながら共回り
やっちまったぜ.まあ付いてしまった傷は仕方がないので後でやすってタッチペンしとこう.
それにしても締め付けトルク高すぎん?全身の力を込めてもトルクレンチ鳴らなかったんですけど.......
だいたい 88 N・m といったらレンチの長さが 1 m だったら端に 9 kgf くらいの力をかければいいはずだ.このレンチは長さが約 50 cm だから,20 kgf も力をかければ十分締まるはずなのだが......明らかにもっと力を入れたはず.
......さてはこのトルクレンチ狂ってるな?
確認するために近くのホームセンターで新しいのを買ってきた.
もし今のが狂ってなかったらこいつは友人に買い取らせよう.
さて,どうやってトルクを確認するかというと,いたって簡単.
同じ二面幅のソケットを使って......
こう.
あまりお行儀はよくないがまあどちらも締める方向にトルクをかけるんだし大丈夫でしょ(ガバ)
ということでお互いの測定値の差を測っていく.いくら安物とはいえ,今買ってきたばかりの新品が狂っているとも考えづらいので新品を基準にしよう.
まずは最低値の 20 N・m で試してみると,ほぼ同時に両方のトルクレンチが鳴った.ここは問題なさそう.
次はGSRのリアの締め付けトルクで試してみよう.測定トルクを 65 N・m にしてもう一度試してみる.
先に新しいほうが鳴った
つまり,古いほうは表示しているより高いトルクで締めつけていたということだ.新しいほうの数字を調整しつつ同時に鳴るトルクを探ると......
102 N・m
は?(威圧)
なんだこれは......たまげたなあ......
誤差 +60% ってマジ?こんなんじゃ商品になんないよ......
ということでいくつかのトルクでそれぞれの値を比較してみた.ちなみに今まで使ってたのは中村製作所のKANONというブランド.こいつは kgf・cm 表示なので,後で N・m にも直しておいた.
KANON[kgf・cm] | KANON[N・m] | E-value[N・m] |
200 | 19.614 | 20 |
300 | 29.421 | 33 |
400 | 39.228 | 45 |
450 | 44.1315 | 58 |
500 | 49.035 | 66 |
550 | 53.9385 | 73 |
600 | 58.842 | 92 |
650 | 63.7455 | 102 |
700 | 68.649 | 106 |
800 | 78.456 | ー |
900 | 88.263 | ー |
ええ......(困惑)
旧レンチの上の方に至ってはズレすぎていて測定できなかった.CBFのリアはさっきこの最高値で締めてたんですけど......
一応旧レンチのKANONの名誉のために言っておくと,ヤフオクで素性の知れない中古を安かったという理由だけで買った自分が悪いのだ.新品なら物はいいはず.高いやつだし.
とりあえずCBFのアクスルナットは一度緩めてから新しいほうで締めておいた.やっぱり簡単に締まるじゃないか(憤怒).ついでにGSRも点検したが,こちらもオーバートルクになっていたので一度緩めてから締めなおした.ところでどうしてパワーがあってシャフトの太いGSRのほうが指定トルク低いんですかね......?
まあ,レンチがオーバートルク気味に狂っていたおかげで,指定トルクより緩くてもナットが緩まなかったのかもしれない.これに関しては怪我の功名だった.とはいえオーバートルクはよくない.トルクレンチはトルク管理が必要な大事なボルトに使うのに,それをダメにしたりしたら本末転倒だ.
過去にブレーキキャリパーのネジ山を舐めてしまったこともあったが,その時もこのレンチで指定トルクまで締めたら舐めたのだ.今思えば,ブレーキキャリパー程度で済んでよかった.
思えば,旧レンチは費用をケチってヤフオクで中古を買ったのがいけなかった.信頼できない工具なら無い方がマシなんだよなぁ.なぜ気づかなかったのか.
良い子は,測定器具を買うときは,適当な中古品を買わないで,安くてもいいから信頼できる新品を買おうね!
CBF125R ハブダンパー交換
リアのドリブンスプロケットがガタつくようになってしまった.原因はハブダンパーの劣化らしいので,新品を注文して交換しよう.
用意したもの
・新品のハブダンパー
バイクの購入店で手配してもらった.だいたい¥2000-くらい.
・グリス
組み立てるとき可動部に塗るためのグリス.
作業開始
まずはバイクをセンタースタンドで立て,リアホイールを外していく.ホイールが簡単に外せるし,チェーンメンテも楽なのでやはりセンタースタンドは正義.重いけど.
ドラムブレーキ車のホイールを外すときは,アクスルナットのほかにブレーキロッドとトルクロッドのボルトも外しておく.ディスクブレーキだとこの工程がないので若干作業が楽.
ちなみにトルクロッドは緩み止めのために割りピンが入っている.割りピンは再利用できないのでバラすたびに新品に交換しよう.
すべてのボルトを緩めたら,シャフトを叩いたり引いたりしながらスイングアームから引っこ抜く.この車種はスイングアームとホイールの間にカラーが入っているので,そのままシャフトを抜くと落っこちるので注意.シャフトが抜けたら.チェーンを外してスイングアームとフェンダーの間からホイールを抜き取る.
ホイールが外れた.スプロケットは歯が痩せてきているがまだまだ使えそう.
スプロケットとハブを外すと......
今回の目標,ハブダンパーくんとご対面だ.4つ対になって挟まってる黒いゴムの塊がそれである.ゴムでできたダンパーがホイールとスプロケットハブの間に入って,加減速のときの衝撃を和らげているわけだな.
ちなみに,いかにもホイールを外してからスプロケットを外したかのような写真を撮ったが,実際にはダンパーが劣化しまくっていてシャフトを抜いたときに勝手に外れてスプロケが落ちてきたゾ.おかげでホイールを外すのに手間取った.
古いダンパーを取り出してホイールの内側を掃除したら,新品を組み込んでいく.
古いのと比べるとなかなか劣化しているのがわかる.2年2万キロお疲さまである.
ダンパーを入れたら次はスプロケとハブを組んでいく.新品はキツくて手で押し込んだくらいではなかなか入っていかないので,ハンマーで叩いて少しづつ入れていく.本当はプラハンマーを使って叩くのだが,そんなものは持っていないのでウエスで当て布をして普通のハンマーでぶっ叩く.
せっかくホイールを外したので,ついでにブレーキシューも確認しておいた.ドラムブレーキは外から直接シューが見えないからね.そろそろ交換時期かと思っていたが,意外にもまだまだシューは残っており,しばらくは交換しなくてもよさそう.
部品の交換が終わったので,外したのと逆の手順で組み付けていく.シャフトにはグリスをたっぷりと塗っておいた.これも手だととても入らないのでハンマーで叩きながら入れる.
ブレーキを接続して,チェーンの張りを調整したらアクスルナットを締めて終わり!
リアのアクスルナットの締め付けトルクは 54 N・m らしいので,トルクレンチでその通りに締めておいた.納車のときのマーキングよりちょっと手前の位置だけど......バレへんか! まあ締めすぎてシャフトのネジを舐めたりしたらそれこそ大惨事なので,言われた通りのトルクまででやめておこう.
追記:この時使ったトルクレンチはゴミだった↓
割りピンだけ新品を用意していなかったので,とりあえず古いほうを入れておいて,試走がてら新しいのを買いに行こう.
試走
近所をしばらく走り回ったが,明らかにアクセルのレスポンスがよくなった.今までは加減速のたびにワンテンポ遅れて気持ち悪かったのが,快適なレベルまで落ち着いた.やはり消耗部品は定期的に交換しないとな!
割りピンを求めてお気に入りのホームセンター,コーナンに向かったが,コロナの影響で18時で営業終了したらしく,せっかく来たのにやってなかった.その後も割りピンを求めてさまよったが,近くの大型店はどこも18時終了らしい.はーつっかえ!
仕方なく近所のしょぼいケーヨーデイツーに来たが,案の定割りピンなんて扱ってなかった.辞めたらこの仕事? ここは近くてアクセスは便利(チャリで2分)だがいかんせん品揃えが悪すぎるのだ.代わりに適当なステンレスの針金を買ってきてこれを差しておくことにした.要は緩んだ時にナットが落ちてボッシュートしなければなんでもいいのだ.
帰ってきて暗い中作業して,割りピンを作って入れたら終わり!
なかなかええんちゃう?
結果的に新しいのを買うより安く済んだので,今後も割りピンはこの方式でいいかもしれない.
そろそろ納車から2年だし,一回も変えてないブレーキフルードも変えないとなぁ.......
他にもフォークオイルも変えたいし,チェーンも寿命が来てるし,実はタイヤももう溝がないし,クラッチカバーからもオイルが滲んでるから開けてみないとだし再来月で自賠責も切れるし,金がかかりすぎて気が狂う!!
新車で買って車検ごとに乗り換える人の気持ちが少しわかってきた.