フォグランプをつける
うちのGSRはヘッドライトを純正のハロゲンバルブからLEDに変えてある
白くて明るくてカッコいい,しかし悪天候の前には無力.霧の日は周りが全然見えないし,雨の夜でも路上のペイントが見えなくてやばい.
じゃあこれ!
悪天候に備えてアドベンチャーやツアラーに装備されることの多いフォグランプをつけよう
作業開始
フォグを後付けする方法は大きく分けて二つ.
1.バイク用フォグとして売られている社外品を取り付ける.(お高い)
2.AMAZON等で安売りされている作業灯を改造して取り付ける.(安い)
1 は専用品として売られているだけあって配光バッチリでしかもカッコいいものが多いが,高い(数万円~)ので却下
2 の方法でフォグを後付けするときに恐らく誰もが一度は考えるのがこの商品.
https://www.kitaco.co.jp/goods_detail.html#sid=P800-0710000
キタコ シャトルビーム
フォグランプとして明示されているわけではないが,どこからどう見てもフォグに使ってくださいと言わんばかりのパッケージでバイク用品店にも普通に置いてある.
ところがこのライト,AMAZON謎中華で同じような(というか同じ.OEMなのかはたまたパクリなのか......)ライトがわんさか売られている.レビューを読むとキタコも謎中華も(悪い意味で)同じくらいの品質らしいし,ここは謎中華でいいでしょ.壊れたらまた買いなおすし.
それから,フォグランプを保安基準に適合させるためには,キーOFFでは消灯,キーON時にON/OFFが切り替えられないといけない.要は,楽だからと言って適当にバッ直&スイッチで配線すると,車検に通らなくなってしまう.白バイに止められて気づかれた日には整備不良で反則金¥6000- と違反点数 1 点がプレゼントされるゾ.(250ccには車検ないからそうそうバレないけど)
ライトみたいな大電流を使うような装備をキーON/OFFと連動して電源を取るには,途中にリレーをかませたり純正の配線を分岐させたりとちょっとだけ複雑な配線作業が必要になる(もっとも,今回はLEDライトなのでハロゲンやHIDほど大電流は流れないが).自作してもよかったが,ある程度セットになって配線済みのハーネスが入手できるので,自作の手間や費用を考えたらこれを使ったほうがいいだろう.
届いた.
リレーハーネスは思ったよりもしっかりした梱包で届いたので驚いた.(でも中に怪しい日本語で書かれた紙が入ってた)
ライト本体はよくある謎中華って感じの梱包.でも箱潰れもないし緩衝材もちゃんと入ってるし通販ならこれで十分.
届いたままの状態だと線が剥き出しなので,ハーネスと接続できるように端子をつける
なんだこのダサいロゴは(暴言).こんなものないほうがいいと思うんですけど(名推理).ただのステッカーだったのですぐ剥がした.
次にリレーハーネス
ランプへの配線が二つ用意されているのはいいが,左右で長さが違う.
車体に合わせてみると片方は長すぎて配線が余り,もう片方は短すぎでランプまで線が届かない.線をぶった切ってつなげて,長さをそろえよう.
つなぎなおした部分はビニールテープを巻いて絶縁し,切り落とした端子はつけ直しておいた.
このリレーハーネスは配線一式に,リレー,ヒューズ,さらにはスイッチまでついてきて大変コスパがよろしい.ただしスイッチはハザード用のものが入っていた.まあこんなの塗装を落とせばいいだけだし別にええわ.
ところでこのリレーハーネス,説明書通りに配線するとこうなる
このままだとキーOFFの状態でもフォグランプのON/OFFができてしまう.確かにリレーを入れているけど,見かけの挙動はバッ直&スイッチと何ら変わらないんだよなぁ?こんなんじゃ車検対応車になんないよ.どうしてくれんのこれ?
キーOFFでフォグがつかないようにするには,リレーの電源をバッテリーではなくACC電源(キーON時のみ 12 V が供給される)から取らないといけない.
ACCはキーONで作動する電装品ならどこからとってもいいが,今回は定番のホーンから分岐させる.
二股の配線を作ってホーンのACC側の端子に割り込ませて,この線とハーネスの残したほうの線をスイッチを介してつなぐ.
関係ないけどラジエーターの正面にホーンがあるのも何とかしたい.GSRはこの辺のレイアウトがかなりギチギチで,下手に移設しようものなら必ずどこかに干渉する.スズキも仕方なくこんなところに置くしかなかったんだろうが,それにしてももう少しましなレイアウトにしてほしかった.
配線が終わったので,次はライトの取り付け.
ところで,フォグの色といえばやはり黄色!悪天候には白より黄色のほうが強いって,それ一番言われてるから.最近は車でも白いフォグが多いけど,機能性を取るなら黄色だろう.だいたい悪天候で前が見えないとか言ってフォグをつけようとしてるのに,ヘッドライトと同じ白色LEDをつけたら意味ないんだよなぁ?
ほんとは雪のときにバルブの熱でレンズが凍り付かないから,黄色のハロゲンがフォグとしては一番らしいけど,雪が降ったらバイクなんてそうそう乗らないしLEDでもええやろ!
調達したライトは色が白しか選べなかったので,ヘッドライト用のイエローフィルムも買っておいた.こいつを貼り付けてライトを黄色にしよう.
1枚貼っただけだと結構白いままだったので,3枚重ね貼りして色味を黄色に寄せた.
近くで見ると結構気泡が残ってるけど,そのうち抜けるだろうしそれほど目立つ部分でもないからヨシ!
GSRはフロントフォークのアウターチューブに反射板(海外では保安基準的に必要)のためのステーが生えていて,国内仕様では使い道がないのでこれを利用して取り付ける.
悪くないじゃん.あとは角度の調整をしないと.
日が暮れてから点灯試験をしたが,元が作業灯なので光が全方向に拡散する.ライトをかなり下向きに取り付けないとグレア(上方散乱光)がひどすぎて走る光害まっしぐら.
ところが,下向きに取り付けると今度は車体のごく近くしか照らせず,跨った状態からだと全く照射範囲が見えなくて,フォグとしての機能が薄い.これもうわかんねぇな?
灯体をもっと水平に近づけた際のグレアを抑えるためには,レンズの一部を遮光するか,シェードをつける必要がありそう.レンズの上半分に黒いビニールテープを貼ってみたが,引くほどダサかったのでシェードを作ることにしよう.
0.5 mm厚のアルミ板を切り出して,筒状のものに押し当ててライト本体と同じくらいの径まで丸める
完成.紙やすりでバリが取れる.やっぱり,薄いアルミ板は最高や!
次はライト本体の色に合わせて塗装.
塗料の足つきをよくするために全面をやすって傷をつける
メタルプライマーを吹いてからラッカースプレーで塗装して完成
ええやん
あとはこれを,金属接着用の強力両面テープでランプ本体に接着.
接着部分がふにゃふにゃして剛性感に欠けるが,とりあえず接着できた.走行風で取れそうだったら,穴をあけてボルト止めしよう.
最後にインジケータランプを作る.
保安基準だと「前部霧灯の点灯操作状態を運転者席の運転者に表示する装置を備えること」が必要らしい.要するに,フォグのON/OFFが運転中にわからないといけない.これの対策のためにインジケーターを付ける.
配線は,スイッチとリレーの間に+を割り込ませて,-をアースする.
キジマのインジケータランプを買ってきた.ステーを作って三又に固定しよう.
ステーを作ってランプを固定したらシェードと同じように塗装.
アースはブレーキホースクランプのボルトからとった(ボディアース).
点灯テストをすると,昼間はいいが夜は眩しすぎてとても直視できない.はーつっかえ!
仕方ないので明るさを調整しよう.
LEDは電球と違って入力電圧を落とせば簡単に減光できるわけではないので,回路的に減光しようとすると結構めんどくさい.面倒なのは嫌なので今回は物理的に解決しよう.LEDの周りを透明樹脂で埋めて,表面を粗く仕上げれば摺りガラスの要領で光が拡散していい感じに減光できるはず.
使うのはクリアのプラリペア.
カウルの割れ・欠けや折れたツメを強力に補修できる優れもの.
こいつを上から盛って,固まったらやすって平らにする.
あえて粗目の番手で仕上げることで,光を拡散させて減光を狙う.
再び点灯させると,目に刺さるような光り方ではなくなった.狙い通り.昼間の視認性が下がったが見えないことはないのでいいだろう.
ハンドルバーのクランプ付近に固定.大きいほうはETCのインジケーター.
夜光らせるとこんな感じ
スイッチは左のスイッチボックス横にとりあえず設置.遠くて操作が難しいのでそのうち変えるかも.
試走
昼間は点けても点けなくてもまっっったく違いが感じられないが,日が暮れて徐々に暗くなってくると真価を発揮し始める.
もともとヘッドライトの明るさには不満はなかったが,あまり照らしてくれない手前もくっきり見えるようになりさらに明るくなった.色もしっかり黄色でいい感じ.
離れて見てもフォグは眩しくないし,走行中に対向車からパッシングされることもなかった.グレア対策も問題なさそう.
あとは雨や霧の中どのくらい見やすくなるのかが楽しみ.できればそんな天気には遭遇したくないけど.
かかった費用は全部合わせて ¥10000- 弱.かなり安く取り付けられたので,個人的には満足.