GSR250F パニアケース装着
宿泊を伴うツーリングだとトップケースだけだと積載足りない......
いちいちネットで積載するのは面倒だし,サイドバッグは車体に傷がつくし濡れるし......
せや!パニアケース付けたろ!
ということでパニアケースを装着していくゾ.
用意したもの
・GIVI E22N
汎用で付けられるパニアケースのうち,入手しやすいのは,これとGIVIの E21N のふたつ.どっちもステーは共通なので,好きなほうを選ぶといいだろう.E21Nは丸っこくて好みじゃないので,角ばったE22Nに決定.Amazonで¥20000-くらいだった.
・GIVI SB2000 汎用パニアケースホルダー
↑のケースを装着するためのホルダー.ついでにステーとボルトがたくさんついてくる.これを使えばだいたいの車種にパニアケースが付けられる(付けられるとは言っていない)
Amazonで¥13000-くらい.今回はたまたま友人が持て余していたので安く譲ってもらった.
・ホムセンステー
ついてくるステーだけだとさすがに装着できないので,適宜必要なステーを購入.
全部で¥1500-くらい.
・ボルト,ワッシャー
ステーを共締めすると長さの足りなくなるボルトがいくつか出てくるので用意.
ワッシャーも絶対足りないので大量に用意.
作業開始
まずどこからステーを伸ばすか.見たところ共締めできそうな場所は3個所.
マフラーのマウントボルトとグラブバーの固定ボルト,それからタンデムシートの下あ
たりに飛び出している謎のステー.
実はこの謎ステー,純正パニアの取付ステーなのだ.GSR250S/Fには,中国国内仕様のみ純正パニアの設定がある(もしかしたら欧米仕様にもあるかも).国内仕様にはない.早く日本でも発売しろ?(届かぬ思い)
国内仕様にはパニアの設定がないが,GSR250S/Fには取付穴はそのまま残っている(無印にはどうやらついていない模様).今回はこれも活用していこう.
ということでまずは適当に仮組み
さっきの3点からそれぞれステーを伸ばして固定してみた.付属のステーは鋳鉄製でかなり厚い.ホームセンターで手に入るステーの倍くらいの厚みがあり,人力では曲がりそうにない.かなりの強度が見込めそうなので,右上のようにグラブバーから水平方向に付属のステーを共締めして伸ばし,L字のホムセンステーで吊ることにした.カウルとの干渉も特になく,なかなかいい感じ.
左下もマフラーのマウントボルトに共締めしただけだが,これも問題ないだろう.ステーが強いので座屈の心配もなさそうだ.
問題なのが左上の固定.純正パニアのステーから長ボルトを伸ばし,スペーサーを使って無理やり固定しているが,見た目的にも強度的にもかなり怪しい.ちょっとホルダーに荷重をかけると目に見えてボルトがフニャフニャたわむ.やべえよやべえよ......
さすがに危険そうなので,ボルトの材料物性値を調べて簡単な計算をしてみたが,今使っているボルトだと,ボルトの端(手前側)に下向きに7kg相当の荷重がかかるとボルトの根元から塑性変形(曲がったままもとに戻らないところまで変形すること)を始めるらしい.ほんとぉ? 絶対そんなに強くないと思うんですがそれは......
ホルダー自体の重さが片側2kgくらい,箱の重さが1kg弱,耐荷重は約4kg.
実際には荷重は3か所で分散されるが,走行中は路面の状況次第で静荷重よりはるかに大きな力が加わることになる.今使っているものよりさらに強度の高いボルトを使うこともできるが,高いしそもそも手に入らないし......
そもそも計算が間違ってる気もする.ほんとにそんな見た目で7kgも耐えるんかお前......
ダメだやっぱ(諦観)
ということで悩むくらいならおとなしく固定方法を変更しよう.このままだと見た目もダサいしな.
謎ステーの活用は一旦あきらめて,とりあえずマフラーから伸ばすステーを2本に増やしてみた.これだけステーがあれば耐荷重的には問題ないだろう(ガバ判定)
上に伸びるほうのステーとタンデムステップのクリアランスがギリギリだが,開閉には問題ないのでよしとしよう.
ウインカーとの干渉ヨシ!!
ということで固定の方針が決まった.ボルトの本締めだ.
本締めして箱をつけてみたが耐荷重は大丈夫そう.ただ次なる問題が.
強度的には大丈夫そうだが,車体との固定が2点しかないので,ちょっとした衝撃でこの2点を通る直線(下の写真の赤い線)を中心に捻じれるようにブルブルと振動してしまう.ステーだけでは気にならなかったが,箱をつけて揺らしてみると実に気持ちが悪い.
ということで再び車体の謎ステーの活用を考えよう.
汚ねぇフェンダーだなぁ.
汎用ステーを買ってきて,適当な形に曲げて取り付けた.
このステーは荷重を担わせるというよりは,振動を低減させるためのものだ.
本当はワッシャーのお化けではなく,スペーサーかカラーでも噛ませたかったがまあいいだろう.謎ステーの形状的にこの方法でしか装着できなかったのだ.
この状態でもう一度箱を取り付けてみる.
叩いてみると,明らかに振動がおとなしくなっている.このくらいなら許容できるだろうというところまで落ち着いた.
試走
ホルダーの固定が終わったのでボルトを本締めして試走してみる.
しばらく走ってから箱を見ると,なんかズレてる気がする.
修正しようとしたら,大して力を入れてないのに簡単に位置が変わった.やっぱりズレてるじゃないか(呆れ)
ボルトの締め付けが足りなかったようなのでトルクレンチを使ってガッツリ締め上げる.
ところでボルトの頭に 8.8 という数字が書いてあるのがお分かりいただけるだろうか.
この数字は強度区分といって,ボルトの強さを表している.
(ピリオドの左側はボルトの引張強さ,8であれば800[N/㎜²] まで耐えられることを意味している.ピリオドの右は降伏点,すなわち材料が塑性変形を始める応力を表していて8なら引張強さの80%,このボルトなら 800 × 0.8 = 640 [N/㎜²] の応力において塑性変形を始めることを意味している.代表的な強度区分はほかに 4.8,6.8,10.9,12.9 がある)(オタク特有の早口)
すごく大雑把に言うと,数字が大きいほど強いということ.普通ホームセンターで売ってるボルトはだいたい 4.8 なので,付属のボルトはちょっといいボルトなのが分かる.
強いボルトはそれだけ強い力で締め付けても大丈夫ということなので,今回はこのボルトの限界まで締め付けておくことにする.
参考:http://search.yht.co.jp/newdata/torque_001.htm
ちなみにこのボルトはサイズがM8の並目ねじである.
拾ってきた表によると,締め付けトルクは21.9 N・m とあるので,手持ちのトルクレンチで 20 N・m で締め付けておいた.これだけしっかり締め付ければそうそう緩むこともないだろう.というかこれ以上締められないんだから緩んだら困る.
最後に一番上のむき出しになってるボルトがそのままだとダサいので,頭にキャップをつけておいた.それと,マフラーのマウントボルトとグラブバーのマウントボルトの長さがステーの厚み分足りなくなったので,ホムセンで買ってきて交換しておいた.これで安心だな!
使ってみた感想
やはり,バイクの積載が増えると気持ちがいい!
バイクなのにツーリング先でお土産も買えるし雨合羽とかもスペースを気にせず常にぶち込んでおけて便利.雨が降っても浸水しないので素晴らしい.
見た目もさらにでかく,マッシブになってご満悦.フロントがバカでかくリアがやや貧相なGSRくんもパニアケースのおかげで全体的にバランスが取れた気がする.
ただし,幅が相当に増えた.なんとハンドルの幅よりでかくなってしまった.(測ってみたらハンドル幅 830㎜ に対してパニアケースを装着すると全幅が 950㎜ もあった)
すり抜けはしない主義なのでその点は問題ないが,今までの感覚で狭い隙間を通ったりするとパニアからぶつける.こうならないように気を付けなければ↓
また,肝心のケースとステーの精度が悪く,取り付け/取り外しにすごく力がいる.使ってるうちにアタリがついて多少ましにはなるだろうが,さすがイタリア製といった感じ.ドゥカティもよく壊れるっていうしな!まあ使えないレベルではないのでいいだろう.
全体的にはバイクはカッコよくなり,積載が大幅に増えたので大満足だ.